日本プロ野球規則に導入されたコリジョンルールの意味と由来は?
2016年6月14日に開催された広島VS西武のプロ野球交流戦。
広島3-2西武となり、広島が勝利したのですが、
今回2016年に導入された”コリジョンルール”というプロ野球の新ルールによって判定がひっくり返り、広島のサヨナラ勝ちとなりました。
コリジョンルールによって判定が覆りサヨナラ勝ちが決まるのは、日本で初となります。
ところで、コリジョンルールって何だか知っていますか?
今回はコリジョンルールについて詳しく知らない方のために、プロ野球に導入されたコリジョンルールの意味や由来、導入された時期などについて書いていきたいと思います。
コリジョンルールってどういう意味?
コリジョンルールとは別称であり、本来は“衝突ルール”と言います。
その名の通り、衝突を防止するために設けられた野球規則です。
一体コリジョンルールにはどんな意味があるのでしょうか?
具体的にどんな野球規則なのかというと、
①走者が捕手に対して強引に接触することを禁じる。
②捕手のブロックは走者の走路を妨害してはならない。
③送球がそれるなどのやむ得ない理由で捕手が走者の走路内に入る場合も可能な限り衝突を避 けるようにする。
と、おおむねこんな野球規則になっています。
①に違反してしまった場合は、悪質かつ危険な衝突と審判が判断するものであれば、警告や退場を走者に宣告でき、
②に違反してしまった場合は、走者がセーフとなります。
コリジョンルールによって、野球選手は無茶なプレーができなくなり、プレイヤーのケガ防止の意味があるとされています。
今回行われた広島VS西武の広島のサヨナラ勝ちのケースでは、
9回裏、2-2の状態で広島の攻撃。2デッド、一・二塁に走者がいる場面。
バッターが安打を放ち、二走のランナーが一気にホームへ向かったところ、
西武の送球がやや三塁側にそれたことにより、捕手が二走のランナーの走路に重なる形になってしまった。
これによってコリジョンルールが適用され、走者がセーフとなり、広島のサヨナラ勝ちが決まりました。
確かにコリジョンルールはケガ防止につながる意味はあると思いますが、これでは野球にならないのでは・・・?とも思ってしまいます。
それている送球を捕るためには走路に入る必要がありましたからね。
明らかに故意ではないでしょうし・・・。
今回の広島VS西武戦のコリジョンルール適用には若干の疑問が残ります。
ケガ防止という意味を果たせるのは良いとしても、野球という競技として成り立たなくなってくるのはあまり意味がないのでは?とも思ってしまいますね。
コリジョンルールが導入された由来は?
次に、なぜコリジョンルールがプロ野球に導入されたかという由来についてです。
前述した通り、コリジョンルールには野球選手のケガを防止する意味があります。
もちろんその由来となったのは・・・プロ野球選手のケガですね。
2011年にメジャーリーグベースボール(MLB)の公式戦で走者が本塁に走ってきた時にサンフランシスコ・ジャイアンツのバスター・ポージー選手が左足じん帯を切る重傷を負いました。
この事故をきっかけに、本塁でのクロスプレーに関する議論が高まった結果、コリジョンルールが導入されたという流れになっています。
確かに本塁でのクロスプレーはひやっとする場面も多いので、問題となるのもわかりますね。
コリジョンルールの由来となってしまったバスター・ポージー選手もある意味で有名な選手になってしまいましたね。
プロ野球選手がじん帯切断という重傷を負ってしまったというのは本当にかわいそうな話です・・・。
コリジョンルールが導入されたのはいつ?
さて、次にコリジョンルールが導入されたのがいつなのかについてですが、
先ほどお話したバスター・ポージー選手の事故をきっかけに議論がなされ、2014年に禁止事項としてルールに加えられました。
2015年にMLBにて採用され、
そして2016年。
日本のプロ野球でも導入されることとなりました。
今後も野球規則の標準ルールとして定着していくことでしょう。
コリジョンルールに関する意見
賛否両論ある新たなルール・コリジョンルールにはやはり反対意見が多く存在しています。
コリジョンルールが導入されたことにより、これまでアウトになっていた本塁でのクロスプレーがほぼ100%セーフになってしまいます。
内野手にも正確な送球を要求されるようになり、際どい場面で本塁からくる走者をアウトにすることは極めて難しくなったと言えるでしょう。
そして今まで三塁にランナーがいた場合は最低でも外野フライを打たなければいけなかった打者が、内野ゴロでもよくなったことによって、打者のプレッシャーがかなり軽減されることとなりました。
逆を言えば、投手のプレッシャーが高まるということですね。
プレイに関しても、花のあるプレイが一つ減ったと考えられています。
例えば外野フライを捕ってからレーザービームで本塁へ送球しタッチアウト!・・・なんていう盛り上がるプレイもほとんどなくなってしまうかもしれません。
いずれにせよ、三塁走者がホームインする可能性が大いに高まったと言えそうです。
ケガを防止する観点で見ればかなり良いルールのように思えますが、慣れるまでは選手も審判も、疑問が残る判定が出たりしてきそうですね。
しかしコリジョンルールはメジャーリーグでも採用されていますし、これから正式に野球規則として定着していく流れなのは間違いないようです。
野球選手のケガが減るというのは、ファンとしても喜ばしいことですしね。
今回の広島のサヨナラ勝ちのように、今後もコリジョンルール適用で場面がひっくり返るシーンがいくつか出てきそうですね。
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