お中元の時期はいつからいつまで?関東や関西などで異なるルール
日頃お世話になっている人に感謝の意味を込めて贈るプレゼント。
お中元にはそんな気持ちが込められています。
お中元の時期がやってくると、スーパーやデパート、百貨店などでお中元用の商品がずらずらっと並んだり、お中元用のコーナーなんかが設けられたりしていますよね。
でもお中元ってよく聞くけど、その意味や由来をあまり詳しく知らなかったり、
送る時期はいつからいつまでなのかしっかりと覚えてない!
なんて人も多いんじゃないでしょうか。
実はお中元を贈る時期は関東や関西、北海道、東北、北陸、東海、中国、四国、九州などの地域ごとに微妙に異なっているんです。
恥をかかないためにも、自分の地域でお中元を贈る時期はいつ頃か望ましいのかについてチェックしておきましょう。
今回は、お中元を贈る意味や、その由来、お中元を贈る時期はいつからいつまでなのか、お中元を贈る相手はどんな人かなど、お中元について詳しく書いていきたいと思います。
お中元を贈る意味は?
お中元とは、日頃からお世話になっている方に対して感謝を伝える意味や、「これからも変わらないお付き合いをしていきましょうね」といった意味が込められ、普段は伝えられないような感謝の気持ちを改めて伝える機会として、日本で古くから定着している風習です。
目上の人、普段お世話になっている人に対してよくお中元が贈られています。
お中元には普段は中々正面きって伝えることができない相手に、感謝の気持ちを伝える意味が込められているんです。
お中元を贈るようになった由来
次に、なぜお中元が贈られるようになったのか、その由来についてお話していきます。
お中元はなぜ「お中元」と呼ばれているのでしょうか。
そもそも中元(ちゅうげん)とは、道教に由来する年中行事、三元の中の一つです。
三元にはその名の通り、
・上元 旧暦の1月15日
・中元 旧暦の7月15日
・下元 旧暦の10月15日
これら三つのことを指しています。
これらはそれぞれの時期に別々の行事が行われていたのですが、
中元の日は、元々道教では人間贖罪(しよくざい)の日として、一日中火を焚いて神を祭る盛大なお祭りが行われていました。
その後、仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と混同されたことにより、お中元は祖先の霊を供養する日となり、
江戸時代以降になると、親族や知人が訪れ、盆のお礼として贈り物をする風習が生まれ、
その風習がやがて、お世話になった人に対して贈り物をするという風習へと変化していきました。
これが、お中元と呼ばれる由来なのです。
お中元を贈る時期はいつからいつまで?
さて、肝心のお中元を贈る時期がいつからいつまでなのかについてですが、
先ほどお話したように、元々お中元は中元の時期に行われていた行事でした。
その風習からか、基本的には7月15日頃までに贈られることが多いです。
しかし、実は関東や関西など、地域ごとによって微妙にお中元を贈る時期が異なっているので、地域別にお中元を贈る時期がいつからいつまでなのか、確認していきましょう。
関東地方
関東地方のお中元の時期は、7月1日~7月15日とされています。
やはりこの時期が全国的にも一番お中元が多くなる時期であり、お中元商戦が各地で行われる時期でもあります。
しかし、近年はお中元コーナーが早めに設置されることも多くなっているようですね。
7月上旬頃にお中元が到着するように手配すれば問題ないでしょう。
関西地方
関西地方のお中元の時期は、7月15日~8月15日とされていました。
しかし、近年では全国的に統一化されていっている傾向もあり、7月1日頃からお中元が配送されていっていることも多くなってきています。
7月入ってからであれば、基本的に問題はないと思われますが、お年寄りなど古くからその地域にお住まいの方に対してお中元を贈る場合は、7月下旬頃にお中元が到着するように配送する方が良いかもしれません。
北海道地方
北海道地方のお中元の時期は、7月15日~8月15日とされていました。
しかし、全国的にお中元が贈られる時期が統一されていっていることから、7月上旬からでもお中元を贈るようになっている傾向があるようです。
お中元を贈る際には7月上旬からでも問題ないとは思いますが、お年寄りなどの古くからその地域にお住まいの方に対しては7月下旬頃にお中元が到着するように配送する方が良いかもしれません。
東北地方
東北地方のお中元の時期は、7月1日~7月15日とされています。
全国的にもこの時期がお中元が贈られるタイミングになっています。
7月上旬頃にお中元が到着するように手配すれば問題ないでしょう。
北陸地方
北陸地方といえど、地域ごとに7月がお中元の時期なのか、8月がお中元の時期なのか、微妙に異なっているようです。
都市部寄りな地区では、お中元の時期は全国的に一般的な7月1日~7月15日とされています。
微妙に時期がズレていることもあり、イマイチ自分の住んでいる地域のお中元の時期が正確にわからないという方は、7月15日頃にお中元が到着するように手配するのが無難かもしれません。
東海地方
東海地方のお中元の時期は、7月15日~8月15日とされています。
しかし、近年の全国統一化の影響からか、7月中旬頃までにお中元が到着するように配送することが増えていっているようです。
7月上旬頃でも問題はないかもしれませんが、7月中旬以降ぐらいに到着するように手配するのが無難かもしれませんね。
中国地方
中国地方のお中元の時期は、7月15日~8月15日とされています。
中国地方でも近年の全国統一化の影響からか、年々お中元を贈る時期が早まっているようです。
7月の上旬頃からでも問題はないかもしれませんが、7月中旬以降ぐらいに到着するように手配するのが無難かもしれませんね。
四国地方
四国地方のお中元の時期は、7月15日~8月15日とされています。
四国地方でも近年の全国統一化の影響からか、お中元を贈る時期が早まっている傾向にあるようです。
7月の上旬頃からでも問題はないかもしれませんが、7月中旬以降ぐらいに到着するように手配するのが無難かもしれませんね。
九州地方
九州地方のお中元の時期は、8月1日~8月15日とされています。
全国的に見ても九州地方のお中元の時期が一番遅いようです。
8月の上旬にお中元が到着するように手配すると良いでしょう。
お中元を贈る時期のまとめ
地方別に見ていきましたが、全国的にある程度お中元の時期が統一化されていっていることから、7月1日~7月15日の間にお中元が贈られることが多くなってきているようです。
そのため、どの地方でも段々と7月上旬頃にお中元を贈っても問題ないと考える人が増えてきているようですが、
風習としては少し遅めにお中元を贈る地方もあるようなので、ご自身がお住まいの地域によって、ちょうどいいタイミングでお中元を贈るようにするのが一番良いでしょう。
お中元を贈る相手はどんな人?
次に、お中元はどんな人に贈ればいいのかについて書いていきます。
一般的には、
・自分の実家
・夫・妻の実家
・職場の人(上司・同僚など)
・仕事関係の人(取引先やお客様)
・何かしらでお世話になった人
・習い事の先生
・親しい友人
などの人たちに贈ることが多いとされています。
昔に比べるとお中元を贈る機会も減ってきており、「実家や親戚など本当に近い間柄の人には贈らない」「会社の暗黙のルールで互いに贈らない」「贈ったことがない」といった人も増えてきてはいるようです。
一方で、「特にお世話になった上司には贈るようにしている」「今までのお礼も込めて実家に贈る」「付き合いの長い友達に贈っている」「毎年贈っている」「今年から贈るようにする」など、お中元を贈る派の意見も見受けられます。
お中元を贈る派・贈らない派で分かれているようですが、
贈る贈らないに関しては本人の気持ち次第といったところでしょう。
お中元を贈る相手が職場の人の場合は、必ず会社の規定を確認しましょう。
場合によっては会社で禁止されている場合があります。
中小企業では贈る派が多くなる傾向にあるようです。
中小企業になると、職場での上下関係も親密なものになったり、直に自分の評価が反映することがあるからなのでしょうか。
また、政治家・公務員の人に対してはあらぬ誤解を招く可能性がありますので、贈答品は控えた方が無難です。
むしろ余計な迷惑を相手方に与えかねませんからね。
そして、お中元は会社と会社の間の付き合いで利用されることも少なくありません。
会社によっては関係会社との関係が切れたら事業そのものがやっていけないという所もありますので、横のつながりを重視する意味も込めて、お中元が利用されているようです。
逆に大手企業では経費削減や、会社の方針で禁止されているケースが多いようです。
そのため、中小企業にもその影響が広がり、企業間でお中元をやり取りすることも年々減少していっている傾向にあります。
その一方で、やはりビジネスのお付き合い上欠かせないものだと考えている企業も多く、企業間の潤滑剤として依然として利用し続ける企業も少なからず存在しているようです。
お中元にはどんな物を贈ればいいの?
お中元を贈ろう!と思い立ったとき、お中元を初めて贈る方はどんなものを贈ったらいいのか悩みますよね。
まず、お中元にかける費用の相場についてですが、
一般的には3,000円~5,000円程度の物を贈ることが多いです。
この費用の範囲内程度で、贈る相手にどれだけお世話になったかによって金額を変えていくのがベストだと思われます。
例えば、
友人や親や親戚などであれば3,000円程度の物。
会社でお世話になっている上司などであれば5,000円程度の物。
それ以上にお世話になっている人に対してであれば5,000円以上の物。
といった具合です。
もちろんあくまで目安なので参考程度にどうぞ。
そしてどんな物を贈ったらいいかというと、相手方に喜ばれるものであれば基本的になんでも良いと思われます。
貰っても困ると思われる物や、いらないと思われる可能性がある物は避けるようにしましょう。
普段自分では買わないけども貰ったら嬉しい物やプレミア感のある物などがお中元として最適な物だと思われます。
一般的に人気のある贈り物としては、
・ビールのセット
・季節の果物セット
・高級ブランド肉
・ゼリーや水羊羹などのセット
・コーヒーのセット
・有名店の食品
・洗剤のセット
などがあげられます。
もしもお中元であげる物にどうしても迷ってしまう場合は、人気商品から選ぶというのも無難な選択かもしれませんね。
お中元で贈ってはいけない物に関しては、このあとの「お中元を贈る際の注意点」でご紹介しておきますので、チェックしておくといいでしょう。
お中元を贈る際の注意点
お中元を贈る際の注意点についてまとめてみました。
相手に失礼のないよう、自分の首を苦しめることのないよう、
下記の注意点をチェックしておきましょう。
①安易にお中元を贈ってはいけない
お中元には”大変お世話になりました”という意味が込められているだけでなく、”今後とも末永くお付き合いしていきましょう”といった意味も込められています。
1度お世話になったからといって、安易にお中元を贈ろう考えるのは少し待った方が良いです。
なぜかというと、お中元は一回送ってしまうと、来年も贈らなければいけなくなる必要性が出てきてしまい、お中元をやめようと思っても中々やめ時がわからなくなってしまうからです。
基本的にはお中元を一度限り贈るというのは相手方に対して失礼にあたります。
実家や親しい友人など、ある程度ラフに話せる間柄であれば問題ないかもしれませんが、少しの接点しか持っていない人であるならば、あえてお中元という形でお礼をする必要はないかもしれません。
そこまで親しい間柄でない場合は、お中元とは別の形で何かのついでに手土産を持参していったりする程度で良いかと思われます。
また、お中元とほぼ同じような意味で贈られる「お歳暮」に関してですが、
お中元が上半期の感謝の気持ちを表しているのに対し、お歳暮は1年間分の感謝の気持ちを表します。
「お中元は贈るが、お歳暮は贈らない」といった形は相手に対して失礼なマナー違反にあたりますので、もしもどちらかだけ贈ろうと考えている場合は、お歳暮のみを贈るようにすると良いでしょう。
②お中元で贈ってはいけない物がある
お中元には贈ると相手方に失礼になってしまう物がいくつかあります。
失礼にならないように、チェックしておきましょう。
・包丁やハサミなどの刃物
このような刃物からは「縁を切る」「切れる」などのイメージが連想されるため、
お中元には向いていません。
・縁起の悪い語呂合わせになる物
4(死)や9(苦)などは縁起の悪いイメージを与える物になるので、避けましょう。
例えば櫛(クシ・苦死)などです。
・靴や靴下、スリッパなどの履物
履物は「踏む」「踏みつける」などを意味しているため、目上の方に贈るお中元には向いていません。
・時計や筆記用具、カバンなど
これらには”勤勉”を推奨する意味合いがあるため、目上の方に贈るお中元には向いていません。
・不吉な意味を持つ花
花自体はお中元として贈っても問題ないのですが、花によっては花言葉で不吉な意味を持っているものもあります。
良い意味・不吉な意味、両方の花言葉を持っている場合もあるために、そこまで気に掛ける必要はないかもしれませんが、贈る前に念のため調べておきましょう。
・海苔やお茶
これらは香典返しによく使われています。あまりいいイメージがないので、お中元としては不適切だと思われます。
・現金や金券などの商品券
金券・商品券はお金そのものを渡すようなものですから、お中元としては不適切です。
もちろん現金も言わずもがな。
実際は商品券をもらいたい!という人が多いというのも事実としてありますが、
たとえ喜ばれるとしても、少しやらしい感じがするので避けた方が良いでしょう。
目上の人に対しては完全にNGです。
お中元のお返しは必要?
今までは自分が相手にお中元を贈ることについて書いてきましたが、
自分がお中元を贈られるということもあるでしょう。
そういった時にお中元のお返しは必要なのでしょうか?
結論から言うと、基本的にお返しは必要ありません。
お中元はお世話になった人に対して贈る物なので、贈られる側は特にお返しする必要がないと考えるのが常識です。
ですが、実際にはお返しするケースがあることにはあります。
というのも、最近ではお中元を友人同士で贈るケースもあり、贈る側と贈られる側の立場が同等の場合も少なからずあるからです。
基本的にはお返しする必要はありませんが、自分がお返しをしたいと思う相手であれば頂いた物と同じ程度の物を「御礼」もしくは「お中元」という形で贈るようにしましょう。
お返しをしてもかまわないが、絶対にする必要はないということですね。
お中元をやめたい・断りたい時は?
お中元をやめたい時
経済的な事情や、様々な理由から毎年贈っていたお中元をやめたいと考える人も少なからずいるはずです。
しかし毎年贈っているものを急にやめるには、意外と勇気がいるもんです。
家族間や友人間であればさほど気にする必要はないかもしれませんが、会社の上司やお世話になった方に対してはお中元をやめづらいですよね。
そんな時はどうしたらいいのでしょうか?
そんな時は、黙って贈ることをやめましょう。
え、逆に失礼じゃないの?何か文書を贈った方がいいのでは?と思ったでしょうか(笑)
しかし、考えてみればそういった文書を贈ることによって逆に相手に気遣いをさせてしまったり、不快な思いをさせてしまうといったことも起こりえます。
勇気がいることではありますが、見栄をはったり、贈る気がないのに贈り続けるというのは逆に失礼です。
黙って贈ることをやめましょう。
しかし、もしも相手側が今後も頻繁にお世話になるような人であるならば、今後の付き合いもあると思いますので、旅行にいった時にお土産を買ってくるなど、お中元やお歳暮のように毎年贈る物でなしに、違った形で感謝の気持ちを表すというのも一つの手です。
何もお中元やお歳暮といった形式ばった物にこだわる必要はありませんからね。
お中元を断りたい時
逆にお中元をもらうケースもあると思います。
そんな時、お返しを考えて悩んでしまったり、ついついお返ししてしまったりと、嫌な状態が続いてしまうことになりかねません。
お中元を断りたいときは、
もらったお中元に対しての礼状を書いて今後の贈答を断る旨を伝える
といった対応が大人のマナーとしては最適でしょう。
一度始めてしまったお中元・お歳暮を贈る・贈られる関係というのは中々切りがたいものですが、中途半端な関係をズルズルと続けていくよりもスパッとやめる・断る対応を取る方がよっぽどお互いのためになります。
一番大切なのは形でなく、お互いに気持ちを伝えることだと思いますので、その部分を大切にするようにすれば良いのです。
最後に
いかがだったでしょうか。
お中元について、よく理解できましたか?
お中元というのは日頃の感謝を伝えるいい機会です。
もしも普段からお世話になっている人がいる場合は、
お中元という形で感謝の気持ちを伝えるというのも良い方法かもしれませんね。
スポンサードリンク