イギリスがEU離脱した原因は移民問題?日本への影響についても
2016年6月23日にイギリスで行われた国民投票で、欧州連合(EU)からの離脱派が勝利。
これにより、イギリスがEU連合から離脱することとなりました。
イギリスのEU離脱によってかなりの経済的な影響があると言われています。
一体なぜ、イギリスはEUから離脱したいと思ったのでしょうか?
そして、このイギリスでの動きによって日本へ何か影響はあるのでしょうか?
今回は、そもそもEUとはなんなのかについて、イギリスのEU離脱の原因となった移民問題、日本への影響について書いていきたいと思います。
EUってそもそもなんなの?
EUについてそもそもあまり詳しく知らないという方のために簡単に説明していきます。
EUとはEuropean Unionの略で、欧州連合のこと。
EUには現在28か国が加盟しており、その人口はおよそ5億人とされています。
そして、EUはもともと欧州内で大きな戦争が起きないようにするために結成された連合です。
欧州では昔から自国の領土を広げるための争いが各地で頻発していたり、石炭や鉄鉱石などの資源を獲りあったりと、長い間争いが続いていました。
しかしそんな言い争いや戦争を続けるのが良いとは誰も思いませんよね。
簡単に言うと、
「そろそろ争いはやめて、経済的・政治的に欧州の国々同士、仲良くやっていこう!」
というような考えのもとに結成された連合がEUです。
イギリスのEU離脱の原因は移民問題?
さて、ではなぜイギリスは今回EUを離脱しようと考えたのでしょうか?
その原因について書いていこうと思います。
移民問題が一番の原因?
おそらく移民問題がイギリス国民の間でEU離脱の最も大きな原因になっている事なのではないでしょうか。
年々EU加盟国からイギリスに移動する人が増え続けており、
2015年の純移民の数は33万人となりました。
これはイギリスから出て行った人の数と、イギリスへ移動してきた人の数の差です。
数字を見てもらうとわかると思いますが、かなりの人数がイギリスへ移動してきています。
イギリスでは、EU加盟国からの移民が増えすぎていることが一つの問題となっているのです。
というのも、イギリスではEUの国籍さえあればビザの必要なく移住が可能になっており、
なおかつ病院無料・子供手当の受給などの福祉が受け放題な状況になっています。
しっかりと税金を払った上で国からの福祉を受けるのであればそんな問題にはならないのですが実際には
EUの人がイギリスに移住したとしても税金を払う必要なしに福祉を受けることができる
という現状にあるのです。
つまり、人が増えれば増えるほど国の福祉関係の予算を圧迫することになり、
結果的にイギリスの人がすぐに補助を受けられなかったり、病院が異常に混雑したりと、イギリス国民にとって不都合な事態を招いてしまっているのです。
言ってみればイギリスの社会福祉にただ乗りできてしまう状況にあるということです。
これが国民の不満の原因になっていることは間違いないでしょう。
また、移民の激増に伴って住宅の供給量も不足している現状があり、こちらも不満の原因になっています。
需要に供給が追い付いていないということになれば、当然住宅の値段も高騰します。
イギリス国内では1DKなどの小さな住宅を購入するのにも20年近く働かなければいけないような状況になっているようです。
イギリス国民にとってはたまったもんじゃないですよね。
こちらもイギリス国民の不満の原因の一つでしょう。
イギリスの月収はEUに加盟している他国に比べると4倍か5倍は高い水準になっています。
さらに、ギリシャ金融危機によって働き口をなくしてしまった人がたくさんいたり、EU加盟国の中でも失業率の高い国々はいくつもあります。
そういった人々がイギリスへ稼ぎを得るために移住したがるのも無理はない話ですね。
イギリスがEU加盟国の他国に比べて住みたい地域であることも原因の一つでしょう。
この結果、EU加盟国からイギリスへの移住民が増え続け、イギリス国内での不満が高まり、EU離脱を希望する人が増えたというわけです。
イギリスのEU離脱による日本に影響は?
それではイギリスのEU離脱は日本にどのような影響を与えるのでしょうか?
次は日本への影響について書いていきたいと思います。
世界経済の先行き不安から円高に
イギリスのEU離脱の情報が流れるとともに、日本の通貨である円が高騰して“円高”になっています。
円高になった原因は何かというと、イギリスやEUの先行きが不安になり、投資家がポンドやユーロを売って、比較的安全な円を買う動きを見せているからです。
財政赤字が深刻な問題となっている日本ですが、実は実質的な対外純資産に関しては世界でもトップクラスの国なのです。
つまり、財政破綻する可能性が低い国だと考えられているいうことですね。
だから比較的に考えて円は安全だと思われ、結果的に資産をポンドやユーロから円に変える動きが活発になったというわけです。
あくまで比較的にですが。
そして円高になると、当然円の価値が上がるわけですから、
日本では輸入が有利になり、輸出が不利になります。
円高になるということは、円の価値が高くなることなので、海外からすると日本の商品が値上がりすることになります。
その結果として日本の物が売れにくくなり、日本からの輸出量が減少し、輸出企業の従業員の給与削減などにもつながってしまいます。
日本の企業への影響も
また、トヨタ自動車や日産自動車などの、イギリスへ進出している日本企業の数は約1,000社となっています。
イギリスの経済力低下により、これらの企業に影響が出るのは明らかです。
これらの企業は、EU加盟国内での関税がゼロになっていることを利用して、イギリスをEU向けの輸出拠点としていましたが、
イギリスがEU離脱することにより、新たに関税が課されることになる可能性も十分考えられます。
関税という観点から見ても、日本の輸出企業に大きな影響を与えるのは間違いないでしょう。
株価にも影響が出ており、イギリスのEU離脱が世界経済へ悪影響を与えると考えた投資家たちの株を売却する動きが活発になった結果、様々な国々で株価が暴落。
日経平均株価も1300円近く暴落することとなりました。
イギリスがEU離脱するとなると、EUの先行きが不安視され、イギリスの通貨であるポンドももちろん価値は低下し、EUの単一通貨であるユーロの価値も低下することとなります。
これによりEU全体の経済力が低下することにつながり、世界全体にその影響が広がる恐れがある状況にあります。
すでに円高などの影響を日本が受けていますが、日本だけに留まらず、世界的に経済力が低下する恐れがあります。
イギリスのEU離脱が世界的に悪影響を及ぼす可能性は十分考えられるでしょう。
日本国内では都知事やオリンピック、選挙などで慌ただしいところではありますが、
世界はそれどころではない事態になっていると言えるでしょうね。
一体EU離脱がどこまで世界へ影響を与えるのか。
今後の動向が気になるところです。
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