フリーランスの報酬未払いの対応方法は?少額訴訟までの流れとは
フリーランスとして仕事をしていると、
「しっかりと依頼されたものを納品したのに報酬がまだ未払いのまま・・・」
「まだ報酬を受け取っていないのにメールをいくら送っても返事が来ない」
といった、金銭関係のトラブルに巻き込まれるなんてこともよくあることです。
明日は我が身なんて言葉もありますが、実際問題そういった未払いのトラブルに自分が巻き込まれないとも限らないわけです。
今回はフリーランスの方向けに、しっかりと仕事を行ったにも関わらず報酬が支払われないといった報酬未払いトラブルに対する対応方法や未払いトラブルへ備える方法などについてまとめていきたいと思います。
報酬未払いトラブルに巻き込まれてしまった時の対応方法
報酬未払いなんてことは絶対にあってはならないことではありますが、世の中にはフリーランスへの報酬金を未払いの状態にしておいて平気な顔をしている企業も少なくはありません。
もしも報酬金が支払われないなんてトラブルに巻き込まれてしまった時は、以下の順序で対応していきましょう。
1、まずはメールや電話で未払い金を請求する
まずはメールや電話などでクライアントに連絡を取り、未払い金を請求しましょう。
早ければ早いほど良いので、もしもまだ連絡を取っていないのであれば今すぐ連絡をとりましょう。
相手に気を使って催促しにくいと感じてしまう人も中にはいるようですが、金銭関係はしっかりしないと対応しないと絶対にダメです。
報酬未払いの状態を作ったクライアントが100%悪いので、気兼ねなく請求してください。
■未払い金請求メールの例文
〇〇株式会社
◯◯様
いつもお世話になっております。〇〇です。
先日納品させていただいた〇〇の代金が支払い期日である〇月〇日を過ぎても入金が確認できておりません。
何らかの手違いかと存じますので、
改めてご確認・ご対応くださいますようお願いいたします。
念のため請求書を再度メール添付にてお送りさせていただきましたので、あわせてご確認いただけたらと思います。
また、このメールと行き違いですでにご入金いただいている場合は、
お手数ですがその旨、ご一報いただければ幸いでございます。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
2、内容証明を送る
メールや電話で連絡しても報酬が支払われない、〇月〇日までに払うなどという話があってから連絡がとれない・・・などといった状況になったらすでに赤信号だと思っていいでしょう。
企業の資金繰りが厳しい状況にあるか、支払う気がないか、どちらにせよそのまま待っていても報酬額が支払われることはまずありません。
次の対応手段として、内容証明という書類を送りましょう。
内容証明とは、いつどんな内容の書類を誰が誰に送ったのかというのを証明できる郵便のことで、これを送ることによって督促したという証拠を公的に残すことができます。
内容証明を送ることで次の法的措置に移った際にこちら側としてもしっかりと督促しているということが証拠として使えるわけです。
また、内容証明を送るということは訴訟前の最終通告のようなものなので、相手側にもかなりのプレッシャーをかけることができます。
内容証明を送った時点で観念して支払いに応じるといったパターンもあるので、この時点で問題が解決することもあり得ます。
内容証明は郵便局を通じて送ることができ、インターネット上でe内容証明というサービスを通して差し出す方法と、直接郵便局に行って差し出す方法があります。
また、謄本の作成方法の条件なども細かく定められているので、自分で作成する場合はよく条件等をチェックした上で作成してください。
ちなみに、内容証明郵便を代行で作成できるのは弁護士のみです。ご注意ください。
3、法的措置をとる
内容証明を送っても依然連絡がなく、対応してもらえないというのであればもはや法的措置をとるしかありません。
具体的に言うと、少額訴訟を起こすことになります。
少額訴訟とは、面倒な手続きを省いて60万円以下の請求に限って裁判所を利用することが可能になる制度のことで、通常の裁判に比べて簡単に訴訟を起こすことができます。
通常の裁判と比べて何が違うかを簡単にいうと、
・弁護士が必須ではない
・費用が安い
・判決が出るまでが早い
といった点などが大きく異なります。
手続きが簡単なの、フリーランスが使う訴訟に適していると言えますね。
少額訴訟はやろうと思えば弁護士を雇わずに少ない費用でできる訴訟ではありますが、相手が訴訟内容に反対したり異議を申し立てたりすると通常訴訟へ移行してしまう可能性もゼロではありません。
通常訴訟へ移行することになると当然弁護士の手配は必須になりますし、手間も増えるパターンもあるということは留意しておきましょう。
弁護士・法テラス(日本司法支援センター)に相談するのが現実的か
少額訴訟はもちろん自分で書類を用意して手続きを行えば自分一人で行うことも可能ではありますが、現実問題として弁護士に相談するのが一番手っ取り早いんじゃないかなと思います。
先ほどもお話しした通り、少額訴訟から通常訴訟へ移行するケースもなくはないわけですし、書類の準備や裁判の手続きなど、通常の裁判よりは楽になっているとはいえ、ぶっちゃけかなりめんどくさいです。
個人的には内容証明もすでに十分めんどくさい範囲に入っているので、内容証明郵便を送る段階で弁護士に相談して丸投げしちゃってもいいかなと思っています。
もしも費用が気になるのならば無料相談するだけでもいいと思いますし、まずは弁護士に相談してみるのが良いんじゃないでしょうか。(弁護士によりますが内容証明の作成に大体数万円かかります。)
今回の少額訴訟といった法的措置を行う際に役立つのが法テラス(日本司法支援センター)です。
法テラスでは、法的トラブルに困った方への無料相談を行っており、最寄りの弁護士事務所を紹介してくれたりと、具体的にどう動けばいいのかわからない人への手助けを行ってくれます。
ネットなどで情報をかき集めて自力で訴訟を起こして未払い金を絶対回収してやる!!っていう気持ちもわからなくはないですが、とにかく手間がかかるので、手っ取り早く弁護士に相談・依頼を行い、自分はフリーランスとして次のステップに進むために次の仕事に取り掛かる・・・ってした方が冷静に考えてメリットが大きいんじゃないかなと。
無駄にお金を払わなきゃいけないということで悔しい気持ちもあると思いますが、多少の費用を払ってでも面倒ごとを避けた方が自分のためにも良いかもしれませんね。
とにかく訳が分からないまま時間を過ごしても仕方がないので、弁護士に依頼するしないは別として、まずは法テラスに相談することをおすすめします。
フリーランスが未払いトラブルに巻き込まれないために事前に備えておくべきことは?
報酬が未払い状態になってしまった時点で、費用が無駄にかかったり、面倒ごとが増えたりと、しんどい状況に陥ってしまいます。
そうならないために、備えておくことは非常に大事なことだと言えるでしょう。
フリーランスが未払いトラブルに巻き込まれないために事前に備えておくべきことについてもチェックしていきましょう。
交渉・契約時の記録をとる、契約書を交わす
知人の紹介や昔の友人だからといって契約を曖昧なものにしてはいけません。
交渉・契約時の記録をしっかりととり、契約書を必ず作成するようにしましょう。
また、クライアント側が契約書を用意してくれた場合でも、めんどくさがらずにしっかりと中身を全てチェックするようにしましょう。
口で言っていたことと違うことが契約書に記載されているケースもなくはありません。
クライアントを過度に信用しないようにしましょう。
相手側がなんというと、契約書の内容が全てですから。
報酬額の支払い期日が少しでも遅れたらすぐに連絡をする
意外と気を使ってしまって中々言えない人も多いようですが、支払い期日が少しでも遅れたら必ずすぐに連絡をとるようにしましょう。
フリーランスが個人だからといってナメた対応をとる企業は少なくありません。(ちょっと言い方汚いですが・・・)
フリーランスに限らず、ビジネスはナメられたら負けみたいなとこはありますから、言うべきことはしっかりと伝えるようにしましょう。
すぐに連絡を入れておくことによって「この人はしっかり対応しないとダメな人だな」と相手側に意思表示することができます。
逆に連絡を入れないでいると「この人は多少対応が遅くてもなんとかなる」と思われ、ひどい場合は支払いの遅延や未払い状態が慢性化していきます。
企業側もフリーランスだからといって、甘えた考えで仕事しているケースも少なくはありません。
フリーランスも一つの取引相手だということを示していきましょう。
今回の記事のまとめ
今回はフリーランスの報酬未払いの対応方法についてや、少額訴訟までの流れ、未払いトラブルに巻き込まれないための方法などについてまとめさせていただきました。
フリーランスとして活動していく上で逃れることができない未払いトラブル。なるべく巻き込まれることのないように備えていきたいものです。
未払いトラブルが発生してしまったら正直自分一人で解決するのは非常に手間がかかるので、基本的には法テラスなどを通じて弁護士に相談するのが良いでしょう。
金銭関係は本当に一度トラブルと厄介なので、注意していきたいところですね。
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